海洋調査船「タラ号」

世界の海を駆け巡るフランスの海洋調査船タラ号が2018/05/19にフランスの調査船タラ号が有明ターミナルに寄港した。早速アリアケペンちゃんズの葛西が調査するためにむかい、乗組員の方に話を伺った。太平洋のサンゴの状態や海洋プラスチックなど、予断を許さないようすがひしひし伝わってきた。

タラ号とは

タラ号とはエティエンヌ・ブルゴワが所有する船であり、環境の脆弱性について啓発するためのタラ海洋探査プロジェクトに使用されている船である。
タラ号は所有者が三回変わっており、初代所有者のジャン=ルイ・エティエンヌの指揮の下、タラ号は1989年フランスで建造された。当初は南極大陸の意味を持つ「アンタークティカ」という名前だった。その名の通り南極大陸の調査を想定された作りとなっている。
その後、アンタークティカから「シーマスター」と名前を変え、2代目所有者ピーター・ブレイク卿に引き継がれた。国際連合環境計画(UNEP)の支援を受けた環境保護計画に使用された。

現在の「タラ」という名前はピーター・ブレイクの祖父が使用していた船名であったと同じである。タラはマオリ語で「天国の道」を意味する言葉だそうだ。

調査の概要

2016年から現在までの間、タラ号はサンゴ礁の生物多様性に関する調査を行なっている。サンゴ礁には海洋生物の30%が生息している。しかしその面積は海洋表面のわずか0.2%しかない。さらにその海洋の生物多様性を保つにはサンゴ礁の存在が必要不可欠である。
タラ号太平洋プロジェクト2016-2018のセルジュ・プラヌ博士は
「タラ号太平洋プロジェクトでサンゴ礁の生物多様性を解き明かしていきたいと思っています。サンゴのゲノム、遺伝子、ウイルス、バクテリア等の多様性をサンゴの周りの海水と比較し、サンゴ礁の生物多様性の実態を把握するのが目的です。」という。
さらに「今回得られるデータは科学界だけでなく、現地や国際社会でも役に立ちます。主に小さな島々の住人の将来がかかっている、生物多様性の発祥地であるサンゴ礁が直面する問題をより深く理解するためにもタラ号は貢献します」とエティエンヌ・ブルゴワは語る。

タラ号は今年の10/27に調査を終え、フランスのロリアンに帰港予定という。いずれ科学雑誌などに今回の研究結果が報告されるだろう。みなさんも調査結果に注目していただきたい。

余談ではあるが今回の取材にあたってタラ号に試乗させいただいたがその前の浮桟橋で船酔いになっていた。その状態でタラ号に乗ったので話は聞いていたが、そばにあるものにしがみついていなければとてもじゃないが立っていられなかったので、船内の写真が一切ないという残念な結果となった。代わりに船酔いから回復した後に撮影したタラ号の写真を掲載する。

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