大学の先生がご退職(国公立大学の場合には、ご退官)されるとき、研究・教育を集大成した書籍を、ご本人もしくは関係する研究者(主として弟子の研究者が中心となります)が、上梓することが一般的な習慣としてあります。
大阪大学名誉教授の伊藤克三先生(専門:建築環境工学のうち、日照、採光、照明など光環境)の場合は、ご専門分野とは、まったくかけ離れた「薔薇」に関する本であったことを、今回のトピックを書きながら思い出しました。
—-
著者名:伊藤 克三
書名:ビルゴ礼讃
出版社:伊藤克三先生退官記念事業会
発行年月:1981
—-
※アマゾンで検索しても残念ながらヒットしませんが、どこかの古本屋のWEBには在庫があるようです。興味がある人はぜひお読みください。
ビルゴ(Virgo)とは、美しい白い薔薇で、ヴィルゴとも表記されます。
わが家にある、つるバラのアイスバーグとも遠い親戚関係にあります。
建築系の研究者の場合、自宅の選択や設計に、自らの人生を投影します。意匠系の研究者の場合、自宅が当人の代表作品となることが珍しくありません。
伊藤先生の場合には、家の選択においても、薔薇の栽培(日当たり)を第一に考えて、電車騒音のうるさい阪急電車沿いを選ばれました。なお、その後、高架工事があり、日当たりが悪くなることまでは想定外だったそうですが・・・。
5月と10月の薔薇の品評会の時期にはいつも休講になったそうです。
最近の大学では、休講した場合には、必ず補講しなければいけない大学も増えてきていますが、伊藤先生が現役の時代は、おおらかで良かったですねぇ・・・。
追伸、
いまオレゴンのポートランドにいます。
ポートランドは、バラで有名で、ワシントンパークのバラ園は素晴らしかったです。
バラ園のすぐそばに、Portland Japanese Garden http://www.japanesegarden.com/ も、ここがアメリカであることを忘れるくらい素晴らし出来栄えです。ポートランドは、日本の東京より、ちょっと寒いので、紅葉や黄葉が見ごたえがありました。
ただ、Gardenにある日本家屋のそばに、アメリカの国旗が掲揚されており、「やっぱりここはアメリカだ~!」ということを再認識しました。