パソコンのデータを整理していると、1年前にオレゴン州ポートランドで撮影した写真が偶然にでてきた。
写真がこれ↓
「EXIT(出口)」方向を指し示す看板に、「Capitalism(資本主義)」という文字が落書きされたもので、「こちらに行けば資本主義社会から脱出できる」といった意味でしょうか。ただ、看板の矢印の方向に、どんな施設があったのか、不覚にも確認しなかったため、真意は不明です。実は落書きではなく、看板の持ち主がパロディで書いた可能性もあるが・・・。
いずれにせよ、この看板を見たとき、子どものころに人物ポスターに落書きされたものを見て思わず笑ってしまったときと同じ心境で、素直に笑ってしまった。
下の写真はカナダのハリファックスで見つけた落書きで、「ひげ」を加筆する落書きのメンタリティには東西の文化差はないようです。
しかしながら、である。
自分の私有財産ではない、第三者が所有する看板に落書きする行為や、選挙のポスターに落書きする行為は、れっきとした犯罪行為であって、このブログで面白可笑しく紹介すること自体も落書き行為を助長することになるとすれば大変遺憾な話です。
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ZAKZAK 2009/01/28
小沢ポスターに“ひげメガネ”…落書きじいさん逮捕
県議には目もくれず
民主党の小沢一郎代表のポスターに“ひげメガネ”の落書きをしたとして、神奈川県警瀬谷署は28日までに横浜市瀬谷区本郷に住む無職の男(74)を器物損壊容疑で逮捕した。同区内では小沢代表のポスターを狙った落書きが昨年末から20件以上も相次いで発生しており、同署では余罪を追及している。
調べによると、容疑者は今月中旬、同区内の民主党掲示板に張ってあった小沢代表のポスターに、油性ペンでひげメガネの落書きをした疑い。
「ひげとメガネのほかにも二重三重にグルグルと線を書いたりと、まさに子供の落書きと同じレベル。刃物で切り裂くこともあった。一緒に県議のポスターもあったが、小沢さんだけが狙われた」(捜査関係者)。
同署は地元の民主党関係者から被害届が出されたのを受け、署員を掲示板周辺へ重点的に配置。26日午後4時すぎ、同区瀬谷にある小沢代表のポスターの前で足を止めて、ジッとにらみつけている容疑者を警戒中の署員が発見した。
職務質問したところ、カッターナイフと油性ペンも見つかった。容疑者は容疑を否認したが、「被害現場の足跡と、靴底が一致したことを問い詰めると、犯行を認めた」(捜査関係者)という。容疑者は妻子と同居していて「見た目も普通のおじいさん」(同)。別の関係者は「『小沢氏が麻生首相をいじめるのはケシカラン』と個人的な恨みを抱いた犯行のようだ」としている。
地元の花上喜代志民主党県連幹事長は「民主党が政権交代を目指す緊迫した状況で、政治的な気持ちの高まりが犯行に結びついたのではないか」と話している。
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公共空間の落書きは断固として許すべきではないことが原則であるとしても、落書きに限らず、社会全体が、いい加減なものや異質なものに対して、過剰に反応し過ぎる風潮が跋扈しているようにも思われ、それに伴い、遊び心や社会風刺などのプラスの側面も損なわれることはとても残念なことです。
(いささか毒が過ぎるように思いつつも)「取り扱い注意の作家」と称される美術家、会田誠も、もっと社会的に評価してしかるべき。無気力大陸~[DVD] は秀逸。
「公共空間」における「落書き」については、小林茂雄さんの「街に描くー―落書きを消して合法的なアートをつくろう」(理工図書)が詳しい。ちなみ、小生がキューバのハバナで撮影した写真もこの本に掲載されております。見つけた人には良いことがあるでしょう(きっと)。