最近、誠信書房から「自然をデザインするー環境心理学からのアプローチ」が上梓され、翻訳をご担当された、羽生さん、芝田さん、畑さんからご恵贈いただきました。誠信書房で大判(B5版)の出版物をはじめて目にしました。イラストや写真が多用されており、たいへんに楽しく読み進めることができ、環境心理学の専門家のみならず、自然の価値に興味がある人、ガーデニングにはまっている人などにも是非とも読んでもらいたい本です。
私は、坂が多い郊外の成熟した住宅地に住んでおります。家の周りはほとんどがリタイアした老夫婦がお住いです。すでに報告したとおり、庭先のわずかながらスペースでの土いじりにはまっておりまして、収穫した野菜をご近所にお裾分けしたり、近所の人から珍しい花の株を分けてもらったりと、本書の主題の「Everyday Nature」を介した世代間交流をはからずも進めているところでした。
谷中・根津などの下町情緒が溢れる住宅の玄関先(プライベートスペース)からパブリックスペースに這い出している植木鉢や植栽等も、ガーデニングデザインの審美的なクオリティからいえば何も変哲もない日常そのもので、どうってことないことかもしれませんが、当事者の居住者にとってはクオリティオブライフにとても寄与していると思われます。
「Everyday Nature」は、自然と人間との関係性を考えていく上で、古くて新しいテーマではないでしょうか。そういった意味で、この本はお勧めです。